ゲーム会社から独立して自主制作ゲームを作った話

自主制作のゲーム『――ッ違う!!!』を発売しました!!

チーム開発ですが、自分はキャラ・背景・CGイラストとUIデザインとWEBページ、あとサブシナリオとプログラミングの一部をやりました

https://studio-thursday.work/chigau/

発売して2週間ほどが経ち、いい機会なので近況報告となんか色々書きたいこと思いついた順で書きます

独立してゲーム制作をすることについての自分の状況の変化などを主題に書いていきます

※色んな人と関わって感謝している人々もたくさんいますが、あえて自分以外の人々とのことには深く触れずに書いていきます

独立して1年ちょっとが経ちました

ゲーム会社を独立してフリーランスになってから1年ちょっと経ちました!

おかげさまで、とくに食いっぱぐれることもなく無事にフリーランスを続けられています

ちょっと時系列順に振り返ってみます

会社を辞めたころ

元々なぜ独立したかというと、みんなの思い出に残るようなオリジナルのゲームを作りたかった(あと絵をたくさん描きたかった)からです

会社にいた頃もみんなの思い出に残るゲーム作りにはかかわっていたのですが、命令通りにタスクをこなしているだけだったので、自分が作ったと思える箇所が全然なかったのが悩みでした

あと、会社内のソフトやプログラムに依存して開発をしているので、オリジナルのゲームを自主制作するとなった場合にあまり役に立たない知識ばっかりついてしまっていました

それに一番は、フルタイムで勤務しているとゲームを作る時間なんてほぼありません!

会社に入ってすぐにそれを感じるようになって、それだったらいつか会社辞めてオリジナルのゲームを作ろうと思いながら仕事をしていると、どんどんやりたさが膨れ上がってきて結局会社員2年目の終わり(思っていたよりもかなり早め)で会社を辞めました

会社自体が嫌ということは全くなくて、普通に働くのであればすごくいい会社だなと思いながら辞めました

会社を辞めてすぐのころ

会社を辞める際の貯金はぶっちゃけると30万円程度で、しかも仕事をひとつも確保しないまま会社を辞めました

(あまり真似しない方がいいと思います)

2ヶ月程度無収入の状態のままだと家からも退去しないといけない状況だったので、会社を辞めた解放感と迫り来る生存の危機の間に挟まれてスリルを感じていましたw

一応仕事の伝手はあって、その伝手でWEB制作のお仕事をもらったり、たまに来る絵の依頼をしたりしてなんとか収入を得て過ごしていました

ただ、元々の仕事と稼ぐ効率がそれほど変わらなかったので、結局自主制作する時間はあまり作れなかったです

WEB制作も楽しいし稼げるので良いのですが、ゲームを作るためのスキル(ゲームプログラミング・3DCG・絵など)が付く仕事がしたいなと思っていました

これが辞めてから1か月間ぐらいの出来事です

ただ、勤務時間が減って出勤時間も無くなったので、いろんなことを考えたり色んな作品に触れたりする時間が大幅に増えました

収入は少し下がりましたが、この時点でもう会社を早めに辞めたことに対して良かったなと思いました

会社を辞めて1か月後以降

1ヶ月ぐらい経った頃から、会社の頃の伝手でゲーム開発のお仕事をもらえるようになり、他の会社のUnityの案件(プログラミング)などをフリーで受けるようになりました

運よくいくつかインディーゲームの制作を手伝わせて貰うこともできました

そうして、最初1ヶ月の悩みだったゲーム制作のスキルが付かないという悩みが解消されました

それどころか、特にインディーゲームで声優をつけたりパブリッシングしてもらったりといった経験をされている方々のお話が聞けてたり、少し伝手ができたりしたのは本当に運が良かったと思います

ものすごく忙しい時期もありましたが、収入や稼ぐ時間効率は会社にいた頃より増えたのでここからとてもいい波に乗れたという感触があります

夢には着実に近づいている感じがあったので元々の悩みは消えてきたのですが、ただやはり会社にいた頃の守られている安心感みたいなものは無くなりました

仕事が急になくなったり、割りに合わない仕事を受けてしまったり、仕事の人間関係で悩んだりとそういう悩みはありました

不安症の人はフリーランスになって自分みたいな働き方をするとかなり疲れるんじゃないかなと思います(自分はかなり楽観主義ですw)

ただ、仕事のスパンが短かった(長くても2ヶ月とか)ので、そういった悩みはそのスパンで根元からなくなるということが分かってきて、最近はそういうことがあってもほとんど悩まないようになりました

ゲーム制作

作り始めた経緯

次第に稼ぐ効率が上がってきて、しかも仕事では自分の自主制作の役に立つノウハウが手に入るようになってきて会社を辞める前よりは格段と状況が良くなりました

金銭的にも、貯金がたまってきたら仕事の頻度をもっと減らして、例えば週3日だけ働いたり、1ヶ月丸々自主制作したりということができるようになってきました

そうして自主制作に費やせる時間が少しづつ増えて来ました

自主制作は独立当初にチームでスタートしました

会社の新卒頃からの同期で結成したスタジオ木曜日という同人ゲームサークル(?)です

元々は木曜日の勤務後に絵の練習をするという趣旨の集まりだったのですが、自分が独立したことをきっかけにゲームを作るようになりました

そして作り始めたのがギャルゲです

メタ要素盛り盛りのゲームを作ろうということで作り始めました

技術はあるので作るゲームは3Dでもよかったのですが、最初は短期間で軽く作ろうということで2Dのノベルゲームを選択しました

制作中の話

いままで大学などでもゲーム制作をしたことがあったのですが、
やはり全員プロということもあってか、もしくはゲーム会社に入るほどゲームを作りたいという熱意があるからか、
今までゲームを作った経験の中で最も早いスピードで制作が進みました

ただ、みんなお金をもらえる仕事をしながらやっているなどといった事情もあり開発が少し滞る時期などもありました

途中インディーズゲームに出資してくれるというコンテストがあったので、それ用に別のゲームのプロトタイプをつくったりしたこともありました

少し話が脇に反れますが、そのコンテストの結果は全然ダメでした
思っていた以上のかなりの激戦でした

大きな金額を出してくれるコンテストだったのですごく話題にはなっていたのですが、とはいえゲームをそれなりのクオリティで作れるインディーのチームの数は限られるだろうと思っていました

しかし蓋を開けてみると想像を遥かに超える数の応募数で、一次選考であっさりと落選してしまいました

こんなにたくさん自分たちの競争相手がいることは認知していなかったので、市場は思ったより厳しい状況だろうなと思いました

そうして、多少より道することもありましたが、開発はロールバックしたりすることも全然なく、ストレートに直進して順調に完成に近づいていきました

会社でゲーム開発の全容を見たことがあるメンバーが居るというのと、元々友達なので意見が言いやすいからスムーズに開発が進んだのではないかなと思います

ゲームが完成

そしてゲームが完成しました

最後はラストスパートをかけることができ、どんどんクオリティが上がっていきとても楽しかったです

そして、コミティア136開催日の6月6日に発売日を決定して、制作を収束させていきました

5月ごろにはこのままでも一応発売できるという状況になっていたので、会社でよく経験したようなデスマーチにもなりませんでした

他の仕事も軽くやりながら進められ、収入の不安もほぼない状況で開発出来て、本当に運が良かったと思います

体験版を出したころにAUTOMATONさんがゲームを記事にして下さり、全然予想していなかったので思わぬ良い出来事でした

ゲームを発売

そうして、完成したゲームをコミティアとDLsiteでの発売を始めました

発売当初はポツポツとしか売れずもう少し売れてほしいなと思っていましたが、
最近はジワジワと売れてきて、またたくさんのゲーム実況者さんが動画にして下さったりと1作目にしては結構話題になったかなと思うので、
(Steam 版ももうすぐ出せそうなのですが、それも楽しみです)
今の時点で1年間頑張ってきた甲斐があったなと思っています

思わぬ方面からの反響もあり、まだ言えませんが今後何か展開ができるかもしれません(お楽しみに!?)

おわりに

自主制作ゲームを作るのはいかに時間を錬成するかというゲームだということを思い知った1年でしたが、踏み切って独立してみて本当に良かったなと思います

独立すると面倒なこともたくさんありますが、そういうことも知りつつ夢に近づけたと思います

とはいえ、まだ自主制作だけで食べていける状況には程遠いので、この調子で引き続き頑張っていこうと思っています

今回のギャルゲ制作を通じて、やり方に関する知見もたくさん得られました

次作

最後に、次作(別作品)の制作を始めたので応援していただけると嬉しいです

↑は去年投稿した、件のインディーズゲームのコンテストに出したコンセプト動画のゲームです

ギャルゲを作りながらちょくちょく世界観を考えたりしていたのですが、ギャルゲの制作が終わったので本格的に制作をスタートしようと思っています

今回も他の仕事で収入を得ながらなのでいつ出せるかはわかりませんが、次作は今回の作品よりももっと反響が貰えるような良いゲームになるように頑張ります💪